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日本ハムが優勝争いで台風の目に 他球団から「昨年より格段に強い」と警戒が

 

勝率5割まで目前


リーグ戦再開となった6月23日のロッテ戦で5対3と快勝した日本ハム


 交流戦を終えてリーグ戦が再開。セ・パ共に混戦模様となっている。パ・リーグは1位・ソフトバンク、2位・オリックス、3位・ロッテが1.5ゲーム差の中でせめぎ合いとなっている。リーグ優勝のチャンスがあるのは、この3球団だけではない。ダークホースとして注目されるのが日本ハムだ。リーグ戦再開初戦となった6月23日のロッテ戦(ZOZOマリン)で5対3と快勝し、今季初の5連勝。最大9あった借金を3まで減らし、勝率5割が見えてきた。

 他球団のスコアラーは、こう分析する。

「大げさでなく昨年より格段に強くなっている。新庄剛志監督の目指す野球が選手たちに浸透し、野球の質が高まっている。守備のポジション取り、走塁での状況判断など細かい部分を突き詰めてスキのないチームに変わろうとしている。選手層も厚くなり、若手が結果を出すことで自信をつけている。勢いに乗ったら手が付けられないので、当然警戒しています」

 新庄監督が就任した昨年は大きな話題を呼んだが、9年ぶりの最下位に低迷。若返りを図る中で他球団と戦力面で見劣りすることは否めなかったが、試合を重ねることで選手たちはたくましさを増していた。昨オフのファンフェスタではイベントの最後に場内のモニターに登場し、「僕のストーリーの中では今年トライアウト、来年3位、再来年は優勝と立てていたんですけど、今年、選手たちの成長を見ていたら早まって。来年、優勝。勝つチームじゃなくて、勝ち続けるチームに。絶対にできます」と力強く宣言。ファンからは大きな拍手を浴びた。

チーム状態が上向いて


 3、4月は9勝16敗と大きく負け越して最下位に低迷。中心選手だった近藤健介がソフトバンクに移籍した穴は大きいように感じたが、5月は14勝11敗と盛り返す。当初はレギュラーを固定する方針だったが、選手の状態を見極めて起用する戦い方にシフトしてチーム状態が上向いた。万波中正がリーグトップの13本塁打を放ち、アメリカから逆輸入でドラフト指名した加藤豪将中日から移籍したアリエル・マルティネスが打線の核に。阪神からトレードで獲得した江越大賀も外野の高い守備能力と長打力で貢献度が高い。

 投手陣もチーム防御率2.76はリーグトップ。近藤のFA移籍の人的補償でソフトバンクから獲得した田中正義が覚醒の時を迎えている。常時150キロ台中盤を計測する伸びのある直球とフォークを武器に守護神に定着し、27試合登板で2勝1敗12セーブ7ホールド、防御率2.42の好成績をマーク。新庄監督の助言で昨年にアンダースローにフォーム改造した鈴木健矢は4月下旬から先発ローテーションに定着し、6勝2敗1ホールド、防御率1.55と安定感抜群だ。

投手陣への高い評価


 野球評論家の荒木大輔氏は、投手陣に対する高い評価を今月下旬に週刊ベースボールのWEBコラムで綴っている。

「(好調の)一番の要因は充実した投手陣だ。チーム防御率2.75は12球団1位を誇り、投手王国の雰囲気が漂い始めているように感じる。先発陣はバラエティーに富む。上沢直之加藤貴之、鈴木健矢、伊藤大海上原健太北山亘基と左腕、右腕、速球派、軟投派、そして下手投げとそれぞれだ。これは大きなアドバンテージとなっているだろう」

「田中正は11セーブを挙げているが、この守護神の存在も大きい。ボール先行しても慌てない。力強いストレートをストライクゾーンに投げ込み、空振りやファウルなどでカウントを戻していく。徐々に自信をつけているように感じる」

 底知れぬ可能性を秘めた日本ハムに、要注目だ。

写真=BBM
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